アイマス一辺倒だった私がラブライブを観て受けた衝撃

ラブライブの視聴をようやく終えました。数ヶ月前まで素で「ラブライフ」と勘違いしていた程度にはラブライブに関して無知な状態でした。ここ数年はアイマスにしか興味が向かず、ラブライブの流行は知ってはいたものの関心はありませんでした。ただ知らないものについて語ることもできないので、時間を割いてみることにしました。

正直、侮っていました。これが第一印象です。流石に多数のファンを獲得するコンテンツだけあって、私的にも非常に満足できる内容でした。アニメのテンポの良さも洗練されていますし、ギャグとシリアスが適度に詰め込まれていて、非常に高い構成力を感じます。中でも衝撃を受けたのが「これはアイマスではないと無理だろう」と思っていた事だけではなく、「アイマスにはこれが足りない」と思っていた事を易々と遣り遂げていたことです。そしてアイマスというコンテンツが持つ欠点にも何となく気づくことができました。

 

いくつか所感を挙げてみたいと思います。若干のネタバレがあるのはご容赦ください。

 

粗末に扱えるキャラクター

これです。登場人物を無理に善人にしたりしません。彼女達は喧嘩します。価値観を全力でぶつけ合ってくれます。そして理解を深めます。少年漫画的な手法ではありますが、基礎トレーニングによる消耗の描写と相まって、後腐れのない爽快感を生んでくれます。キャラクターがコンテンツの基盤であるアイマスでこうした衝突をさせるのには、シチュエーションを捻じ曲げて彼女達を追い込むような工程が必要になります。しかしキャラクターに既存ファンが少ないラブライブにとっては造作もないことなのです。

ラブライブを視聴した後で振り返ってみると、アイマスのアニメでは制作側がアイドルのファンを刺激しないようストーリーを組んでいて、それがある種のぎこちなさを生んでいるように思えます。ラブライブと比較すると、アイマスはあまり派手なぶつかり合いはなく、なあなあになっているように感じます。やりたくてもできないのです。ところがラブライブはお構いなし。全編にわたる汗と涙の垂れ流し。終いには殴ります。これが終盤の結束に説得力を与えてくれるわけです。

 

未練を残さない

ラブライブの登場人物はスクールアイドルであるため、必然的に卒業という別れのイベントを避けることができません。本編でもきっちりと向かい合い彼女達の結論を出したように思えます。本来、このような限られた時間がもたらす緊張感や離別が生む心情はアイマスが大家であったはずですが、コンテンツ維持のためそれができなくなったアイマスは不覚にもこのお株を奪われてしまったように思えます。

このアイマスの変化はアニメだけではなく、大元のゲームにも波及してしまい、最新作のOne for Allではアイドルとプロデューサーの最後の別れがなくなってしまいました。特に春香が好きというわけではありませんが、自分にとってプロデューサーが春香を振るシーンはアイマスの象徴だと考えていただけに、なんだか話が違うんじゃないかと思っています。

そこにきてラブライブ。また泣きます。こいつらホントよく泣きます。抱き合い寄り合い肩叩き合って涙と鼻水の垂れ流し。汚ねえ。そして、美しい。こんな青春を濃縮した理想の卒業式があってたまるか。これが粋ってもんですよ。まあ、商業的な理由で後のシリーズで卒業生の再登場はあるんでしょうけど。

 

世代

これは私の個人的な嗜好でもありますが、世代を超えて想いが伝わってゆくというのはやはり物語に厚みを造り上げるものだと思います。スクールアイドルに次世代の萌芽があるだけではなく、母親と娘が同じ高校に通う伝統であるとか、ラブライブというこれから歴史を重ねるであろう青春の舞台であるとか、ラブライブにはそのような縦の繋がりが程よくちりばめられています。

アイマスに関しては、逆にそうした連続性を排除して刹那に燃え上がる世界観を打ち出したアーケードを始祖とします。しかし、キャラクター自体への支持が固まるにつれて、そのような側面はあまり受け入れられなくなりました。さらに、アイマスでは年齢の差は関係なく等しく同世代のアイドルとひと括りにされるので、世代の物語を練り上げるのは構造上難しい作業になってしまいます。

現世代の想いが後の世代に伝わること。これが現世代を一番肯定してくれることだと思います。アイマスだとその受け皿がなくて物足りなく思えるのですが、ラブライブでは見せ付けるかのように後継も準備されています。だからこそ、現世代にしがみつく必要もないわけです。

 

こんなところですかね。両方知っている方にとっては、何を今更な話かもしれませんが。

 

素直な感想を述べると、アニメではラブライブアイマスを上回ってしまったというのが、今時点の私の結論です。これは構造的な問題で、物語とキャラクターのどちらを基盤とするのかの違いに過ぎないと思います。逆にキャラクター単体の魅力ではアイマスに分があり、ラブライブのスクールアイドル個人には物語を生み出す力は乏しいと思います。どちらがよいという話ではないのですが。


現時点では老舗であるアイマスが新興勢力のラブライフに脅かされる状況にまではなっていないと思います。しかし、もしラブライブが過去作品への拘りを軽々と捨て去り、次々と新たなスクールアイドルの物語を投入し、普遍性を持った青春群像劇の代名詞となるのであれば、アイマスのリメスは決壊し、勢力図は一変するかもしれません。

 

とらや 小形羊羹10本入

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